『いとしき 草花』


1930年飯田に生まれた和田静子さんの『いとしき 草花』を読みました。
お花を通してのお友達から(~と言っても大先輩ですが、)お借りした本です。

和田静子さんは、ちょうど私と30歳違い実家の母と同じ歳でした。
1953年に結婚され、その20年後に心臓病を患い療養生活を送ったのでした。
子ども三人を育てながらお医者さまのご主人と暮らし、短な草花に想いを寄せスケッチをし出来事や子供のころの思いでなど信州伊那谷の風情も織り交ぜながら綴ってあります。

のかんぞうの思いでー、の場面で牧野博士の新日本植物図鑑をで〜ん、と開いて調べる場面があり、ちょっと感動でした。

この本は和田さんが当時新潟大学医学部解剖学の教授であった藤田恒夫さんとのご縁で生命科学の同人誌『ミクロスコピア』の巻頭に連載されたものをまとめてあるそうですが、和田静子さんが病の中、ふとある時手にした『腸は考える』を読み、その腸の中の細胞がたくましく生きる雑草と重なり共感した感想を藤田先生に送った所から始まっています。

暮らしの中で気づき感じる事
子どもたち
年老いた親のこと

長いツララからぽちぽちと、とける水の音
まだまだ春は、そのさき

ひとつ ひとつ大切に
自分の好きな事も大切に暮らしていきたい
そん事を改めて自分に言い聞かせることのできた素敵な一冊でした。